【お遍路】88番大窪寺 【自転車】

空海が巡った88ものお寺を順に参る、お遍路に行ってきました。自転車で。

 
それも逆打ちです。
 
逆打ちとは、徳島にある1番礼所から始めて香川の88番札所まで巡る”順打ち”に対して、88番札所から始めて1番札所を目指すものです。
 

 

9月26日深夜出発

神戸港からジャンボフェリーに自転車を乗せて出発。
9月も終わりに差し掛かると、夜の潮風が結構冷たかった。
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以前記事にしたお気に入りの場所はこんな風になっていたので座れませんでした。

blog.traveler-jun.com

 

9月27日朝5時、高松到着

ことでんが出る時間までは小豆島行きフェリーターミナルのベンチで仮眠をとることに。
 
 
 
ここのベンチ、すごく寝やすいんです。
朝早くから開いていて、それも7時までは空いてるから迷惑になることもありません。
プチ野宿気分です。
 
負けが混んでいる阪神の状況を話し合うおじいちゃんたちの声で目が覚めたのが6:15。
 
自販機でコーヒーを買い持ってきていたあんぱんを食べながら、フェリーを待つおばあちゃんと話をしていました。
 
75歳のおばあちゃんは友達と小豆島の札所巡りをするとのことです。自分もお遍路をすることを話すとえらく感心してくれた。
 
若いのにお遍路=えらい
 
というような考えをこの後出会う人たちも持っているように感じました。
 
そしてそのおばあちゃんは「がんばってね。」とペットボトルのウーロン茶を自販機で買ってくれました。
 
お遍路を行く人に物を施す「お接待」というやつです。
前から知識としてあったものの、自分が実際にお接待を受けるととても感動します。
 
またこのおばあちゃんは88カ所巡りのお遍路も何度も果たしているそうで、その経験からありがたいお言葉をかけてくれました。
 
 

「急いだらいかん。ゆっくりゆっくり進んでいくのが大事。そうしたら長続きするよ。」

 

この言葉がずっと僕に影響してきました。
自転車を漕ぐ足が辛くなってきたとき、必ずこの言葉を復唱していました。
 ああ、経験ってすごい。
 
そうしているうちに列車の時間が近づいてきたので、ことでんの高松築港駅に向かいました。ここで自転車を分解して袋に詰めて列車に載せます。輪行というやつです。
 

9月27日朝7時高松築港駅出発

終点の長尾駅まで40分。
降りたら駅前で自転車を組み立てて、16キロ先の大窪寺を目指して漕ぐのみです。
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が、長尾駅を出てからずっと登り坂です。
駅の近くはゆるやかな坂ですがこれが地味に辛い。
 

9月27日朝9:30道の駅ながお着

ここで休憩します。
道の駅のすぐ手前にある前山ダムは大きかった!
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この辺りまで来るともう山の中。道には栗拾いをする人たちがいます。
驚くことにこの人たちみんなが、僕のような若者にも「おはようございます。」と声をかけてくれたのです。
 
そういえば、朝5時過ぎの高松市街でもランニングをする人たちは挨拶をしてくれました。スターバックスもあるような都市でも見知らぬ人に挨拶をする香川県。素晴らしいです。
 
また道の駅の向かいにはお遍路さんのための施設もあります。ここでもらった大窪寺までのマップが役に立ちます。
 

9月27日朝10:30道の駅出発

ここからはしばらくクネクネの登り坂の連続です。
自転車を漕ぐより、押している距離の方が長かったかもしれません。
峠を越える度に休憩です。
 
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1時間ほど息を切らしながら、休みながら進めたのが5キロ。。。
そこで民家が現れました。ここからがボーナスステージ、2キロ近くの下り坂です。
 
まさに「人生下り坂最高!」です。
NHKのこころ旅、火野正平さんの気持ちがよく分かりました。
 
このボーナスステージの終わりには小学校やJAなどがある集落の交差点に来ます。
先ほどもらったマップではここで左折とありますが、ここのサイトの情報を信じて直進します。
 

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この交差点を左折ではなく直進します。f:id:jun_53a_t:20150930185146j:plain

ダイハツの5メートル程先で右折すると下り坂にさしかかります。f:id:jun_53a_t:20150930185103j:plain

その下り坂を降りたところから振り返った写真。上の道路がさっきまで進んで来た道です。

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そのまま道なりに進みます。ずっと生活道路が続きます。コスモスが咲き、栗が転がり、季節を感じさせる美しい道です。f:id:jun_53a_t:20150930185009j:plain

竹屋敷旅館まで来ると、あとはマップの通りに進むのみ!しかし、この後も長い長い上り坂です。あと5キロ!この時点で11:45。

9月27日12:30、大窪寺到着!

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長尾駅から約16キロを4時間かけて走りました。

疲れた身体に効くのが、お寺の向かいにある八十八庵というお店の「打ち込みうどん」。(1000円〜)にんじん、ごぼうなどの野菜と一緒に味噌で煮込んだ格別の一品。ここまで来たら是非どうぞ!

 

と言いながら、この日はお金があまりなかったので550円のたらいうどんを食べました。

 

大窪寺を参拝した後は来た道を戻ります。帰りはほとんど下り坂なので1時間半程で長尾駅まで戻れました。

 

ここから長尾駅の側の87番札所の長尾寺、志度湾に向かって真っ直ぐ市街地を走って86番札所の志度寺に行きます。

 

志度寺を参拝し終えると時刻は16:30。この日はその近くに住む祖母の家に泊まり、次の日に85番札所の八栗寺を参拝しました。

 

大窪寺までの道が険しすぎて、綺麗すぎて、ここらへんの道中はほとんど印象に残ってません。(苦笑)

 

次は84番札所の屋島寺からの計画を練っていこうと決意して、仕事があるので大阪へ戻りました。

 

「急いだらいかん。ゆっくりゆっくり進んでいくのが大事。そうしたら長続きするよ。」

この言葉を忘れずに次もがんばります。

 

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この本で歩き遍路のルートが紹介されています。

また最適な交通機関の時刻も併せて載っているので、歩きでのお遍路を考えている人には最適です。

僕も「自転車が壊れた時はこのバスを使って・・・」などと考えてプランをたてました。

 

・お遍路に必要なものはAmazonで買いました。

自分は輪袈裟、経本、納経帳の3つを揃えました。